ティータイム

Have a break

#3 Fender Japan FAT (2013/09/12)

 サイトを訪れて下さる方の中に、"Fender Japan FAT"の検索キーワードで訪れる方が多く見られます。
想像するにオークション等での情報を得る目的ではないかと思います。オークションでの価格は物の割には高価で、私自身も未だに手にしていません。

 Fender Japan FATの検索でヒットされるサイトの内容を見て、FATに関わった一人としてFATについて記述して置きます。

 FATの名称には、Fender All Tubeの略称と命名者(私ではありません)の思いの"fat=太い"の2つの意味が有ります。

 コンボ・タイプのアンプでは、スピーカーも含めたトータルの音がアンプの音色です。カタログではUSAエミネンス社と共同開発したFATシリーズ専用のスピーカーという事ですが、実はエミネンスの標準ラインアップからの選択でした。私としてはセレッションを搭載したかったのですが、そこは大人の事情という事です。

 アンプ部分の音色的狙いは、Fender Twin ReverbとMarshall 2203です。出音がそうなっているか?とは別として、狙ったのは明確にこの2機種の音色です。ヴィンテージな音色では無いです。
 音色と言うのは、人によって違った捉えられ方をされる事も有りますが、有り得ない物に例える方がいらっしるのも不思議に思います。

#2 三毛猫(Calico Cat) (2012/07/03)

 アンプを発売してから早一年、まだ製作していないジミー・ペイジの使用アイテムが有ります。その一つがFUZZのTone Benderです。SoundーⅣのブライト・スイッチに"for T.B."と入れたので、放置はいけません。そこで、何かしらのTone Benderを製作しなければ・・・となりました。

 Tone Benderには、通称Mk1からMk4までの5つの仕様が有るそうです。ツェッペリン初期の映像をみますと、ステージ床に3コントロールのペダルを見ることが出来ます。3コントロールという事は、仕様ではMk3以降という事になります。SoundーⅣのテストで使用したTone Benderも3コントロールです。しかしそれは、シリコン・トランジスタ仕様のMk4でした。Mk3でもMk4でも、ざっくり言えばFUZZサウンドそのものです。個人的には、あまり関心が無いです。
 ジミー・ペイジのサウンドで気になるのは、初期のファズ・サウンドよりも、レスポールのピックアップ・セレクターでセンターを中心とし、2つのピックアップのギターのボリュームをこまめに調整する事により、クリーン・トーンから歪んだリード・トーンを自在に操るあの"音色"です。レスポールをマーシャルに直結したのでは、うまい事再現が出来ません。
 しかし、ジミー・ペイジ自身が映画「GET LOUD」の中で、ヒントを出してくれていました。その映像で見られるのは、2コントロールのTone Benderです。2コントロールという事は、Mk2以前という事です。外装的にはMk2なのですが、音はMk1.5のように聞こえます。しかし、Reissueで有れば回路はMk1.5との事です。

 そのような事から、Mk1.5とMk2の製作に取り掛かりました。Mk2の回路は乱暴に言えば、トーン・コントロールの無いMk3のような物です。実際に製作して見ても、やはりFUZZサウンドでした。ところがMk1.5はちょっと違いました。これはイケル!と、思わず顔がにやけてしまいました。
ジミー・ペイジのようにギターのボリュームで、音が作れるのです。特にギターのボリュームを絞った時のクリーントーンは、他では得られないきらびやかな独特の音色になります。
もちろん歪んだ音は、FUZZとは一味も二味も違うあのジミー・ペイジの音色です。

 このようにTone Benderには様々な仕様が存在し、ジミー・ペイジ自身も何種類かを使用しているようです。だからと言って一つずつ製作して、いくつも足元に並べるのは現実的では無いですね。
そこで2コントロールのTone Benderの中から、代表的な3つの音色に絞って一つのペダルに収める事とし"Calico Cat"が完成しました。これなら一つのペダルだけで有る程度、ジミー・ペイジの音色を再現出来ると思います。
3コントロールのTone Benderについては、いつか製作しようと思います。

 個人的には、"Live At Knebworth 1979"の音色が好みだったりしますが、Page & Plant の辺りではアンプがFender TONE MASTERになったり、長い活動の間には様々な音色が有って、まだまだやる事は有りそうです。

#1 SoundーⅣこぼれ話し (2011/07/18)

 アンプを一から作るのは、本当に大変でした。製造事業の届け出を済ませてから、完成までに1年以上が過ぎてしまいました。何とか発売 まで漕ぎ着けたのも、私に力を貸して下さった仕事の出来る方々のおかげです。お名前は出しませんが、感謝の意を表したいと思います。
 さて、単にアンプと言っても色々ある中で、なぜこのアンプを製作したかと・・・。SoundーⅣのロゴのデザインで、お気付きの方もいらっしゃるかもしれません。そうです、レッド・ツェッペリンです。ジミー・ペイジ好きなんです。ジミー・ペイジの音と言えば言うまでも 無く、ライブではレスポールのギターとマーシャルのアンプが知られています。スタジオではテレキャスターのギターとスプロのアンプが知られています。どちらも本物を手に入れてしまえば、それは容易く同じような音を出す事が出来るでしょう。とは言いましても、とても現実的では無いですね。
まぁ、大ざっぱに言えばマーシャルのアンプは、レプリカのモデルが発売されていますので、それを買えばライブのあの音が出せるでしょう。しかし、スタジオのあの音となりますと、スプロのアンプは現在もレプリカが発売されていないようです。海外では一部のモデルのコピーが、製作キットとして販売されているようですが、それがジミー・ペイジの使用していたモデルなのかは判りません。
私はジミー・ペイジが使用していたというスプロが、具体的にどのモデルなのかは知りません。アルバムの音を聞く限りは、小口径のスピーカーなアンプなのは間違い無いと思います。
 開発を思い立った前後に、ある方から凄く久し振りに連絡を頂きました。なんとその方は、小型のスプロを持っていると言うのです。実はその方もジミー・ペイジ好きです。これは自身の耳で、その音を確かめなければならぬと言う事で、プロトタイプ2号を持参して、その方をお訪ねしました。
聞き比べると、アンプの感じは良いのですが、スピーカーの音の感じが全く違うのです。むしろ別のスピーカーを載せたプロトタイプ1号の方が近いのではと思ったくらいでした。さらには、有る事によってアンプにも違いは有りました。その方は、ファズのトーンベンダーもお持ちでした。スプロにトーンベンダーは、まさにアルバムで聞く歪んだギターの音その物でした。
SoundーⅣのブライト・スイッチに"for T.B."と入っているT.B.、実はトーンベンダーの略なのです。
 その後、プロトタイプ2号を改良し、最良のスピーカーを選定し、プリ・プロダクトでリベンジし、その方をうならせました。
このような経緯で、第一弾のアンプは完成したのですが、スピーカーの口径が大きくなってしまったので、当初の音のコンセプトは実現するも、裏のコンセプトとなりました。